CMS要件定義書(RFP)の作り方
CMSの要件定義書(RFP)は、以下のような要素から構成されるのが一般的です。サイトの性格により要件定義の内容が異なりますので、列記されているすべての要件が必要とは限りません。自社のサイトの特性に合わせて、重要度を付記して提示することが望ましいと思います。なお、全ての要件を満たすCMSが存在しているケースは極めて稀です。機能が要件を満たしている場合も実現手段を試し、実務に足りるものであるか確認してください。該当機能がない場合には代替案を求め運用レベルでニーズを満たすことができるかを判断することも重要です。
プロジェクト背景
- マニュアル運営により、コンテンツのボリュームの増加に比例して人的リソース、コストが累進的に掛かる。
- 更新事故が多発し、サイトの信頼性を損なっている。
- チェック等に時間がかかり、サイトのクオリティ維持が困難になりつつある。
- サイトのガイドライン等運用ルールの遵守ができずに、統一感のないサイトになっている。
- 回遊率が上がらず、サイト訪問者の満足度が低い。
- Web標準対応や携帯電話対応など、将来を見据えた対応が必要な時期に来ている。
- 競合他社と比較しても見劣るサイトになっている。
- ウエブサイトにおけるコンプライアンス体制が確立できていない。
プロジェクト目的
- コンプライアンス体制の構築、責任体制と運用体制の確立により情報の漏洩、改ざんを防ぐ。
- 作業の自動化によるミス撲滅。
- 部署単位での運用を図る。
- 企業ブランドの向上、商品ブランドの向上。
- ターゲット顧客への訴求効果向上による売り上げ向上。
- ページビューの向上。
- デザインとコンテンツの分離を行いサイト構造、導線を統一し、ユーザビリティを上げる。
- 競合サイトと比較して、サイト品質や更新速度を高める。
- 複数のアプリケーション、ASPサービス利用による煩雑な管理を改善する。
- HTMLコーディングなどミスに繋がる作業をできるだけ排除する。
- 制作時間の短縮を図り、リンクチェックなども自動化し、サイト運営コストの削減を図る。
- SEOにもシステム的に対応することで、来訪者数の増加を図る。
- 回遊率や再訪率を上げ、訪問者との関係を密接にする。
- データの再利用を容易にし、紙媒体等の資料との同期や、コンテンツ単位の制作コストを下げる。
- サイトデザインの変更に柔軟に対応できるシステムにする。
- 外部への制作依頼を減らし、社内のリソースを利用することで、コンテンツのボリューム増加を図りつつ、コスト低減を行う。
現サイトの概要
- サイト構成、コンテンツボリューム
- 利用しているアプリケーション・ASP
- 現状と想定の訪問者数他アクセス状況
- 現状と想定の編集者数、更新頻度、運用スタッフのスキルレベル
- 実施されているSEO対策、SEM
- サーバ構成、インフラ環境
上記のほかに、現在の業務体制については、詳しく表記する必要があります。ワークフロー(企画立案からページ公開までの承認の過程)、履歴の管理方法、データ管理方法、権限管理をどのように行っているかなどを提示しておかないと、CMSの持っているワークフローその他の機能とどう統合するかが明白でなくなり、運用に入った時点で大きな混乱を起こす可能性があります。
要件定義
ワークフロー
- 権限の種類(システム管理者、依頼者、制作者、承認者)
- ワークフローの種類(通常、緊急、複数承認、複数作業)
- ワークフローステータス(作業中、承認待ち、公開待ち、公開中、公開終了)
- ワークフロー検索、履歴、アラート
- 誰が現在の担当者かわかる
- ログインユーザーへの一斉通知機能
- ログインユーザーへのメンテナンス通知
公開設定
- 時間指定公開
- 時間指定公開終了
- 時間指定更新
- 複数ファイルをグループ化して同時公開・公開終了
- 公開指定を行なったファイルに関連するファイルの公開指定漏れチェック
- 外部コンテンツを定期的に取得して更新
世代管理(履歴)
- 世代管理(履歴)の検索ができる
- 個々のバージョンプレビューができる
- 特定のバージョンを公開してページを復元(ロールバック)できる
- バージョン間の違いを視覚的に比較できる
編集機能
- HTMLの知識なしにサイトが更新できる
- ページの追加、削除、変更に合わせて、グローバルナビ、ローカルナビ、パンくず、サイトマップ、googleサイトマップなどが自動更新される
- 必要に応じてソースレベルでページが編集できる
- フォームの作成機能がある
- ブラウザのみで作業ができる
- 作業PCにソフトウエアのインストールが不要である
- 排他制御編集ができる
- 最終編集作業者が誰か把握できる
- 作業中か、作業が終了しているかステータスがわかる
- プレビューをしながらの直接編集ができる
- 表組みが簡単に作れる
- Excelで作ったデータを基にページを作れる
- 大量のバイナリーファイル、画像ファイルのアップロードを1つの作業で簡単に行える
- 動画ファイルのアップロードができる
- FlashをHTMLやJavascriptの知識なしに埋め込める
- 動画ファイルをHTMLやJavascriptの知識なしに埋め込める
- WebDavに対応している
- 画像の自動リサイズを行える
- 画像のフォーマット変換を行える
- 禁止キーワードのチェック機能
- 内部リンクのチェック機能がある(公開のタイミング、定期チェック)
- 外部リンクのチェック機能がある(公開のタイミング、定期チェック)
- 内部のリンクされたファイルの移動や名称変更が自動反映される
- リンク元があるファイルを削除する場合に警告がでる
- 文字コードを自由に選択できる(特定の文字コードに異存する端末対応)
プレビュー機能
- 時間指定でプレビューできる
- 権限範囲のみに制限してプレビューできる
- 特定ページの特定バージョンのページをプレビューできる
- バージョン間の違いを視覚的に確認できる
- 公開時と同じURLでプレビューできる
- プレビュー中に気づいた点を編集できる
マルチドメイン
- 複数のドメインを運用できる
- 編集時にドメイン間の切替が容易である
- ドメイン単位でアカウントを用意できる
多国語対応(マルチランゲージ)
- 複数の言語のページを編集できる
- 複数の言語環境で編集作業を行える
- 同一URLでユーザーの言語に合わせて自動表示切替ができる
- それぞれの言語でサイト内検索ができる
- それぞれの言語でサイトマップが生成できる
アカウント
- 管理者、発行権限者、編集権限者、閲覧者などアカウントごとに機能制限をつけられる
- ディレクトリ単位、ファイル単位でアカウントを発行できる
- ドメイン単位、ディレクトリ単位、ファイル単位で管理者を設定できる
- ディレクトリ単位、ファイル単位で個別アカウント毎に権限内容を変えることができる
- ログイン履歴をとることができる
携帯対応
- 3キャリアに対応したページが生成できる
- 各端末に応じたページが生成できる
- 各端末に応じた画像が生成できる
- 各端末に応じた動画が生成できる
- 固体認識に対応できる
- PCページと同時編集・同時更新ができる
- 同一URLでPCと各携帯端末に適したページを表示できる
運用
- 会員サイトが運用できる
- 外部システムのログイン情報を引き継げる
- SSLに対応できる
- RSSを出力できる
- サイトのディレクトリ構成が簡単に把握、作業ができる
- テンプレートの変更に応じて、出力が自動反映されるか
- 新着マークを自動付加できる
- 時間に合わせたコンテンツの入れ替えができるか
- メールマガジンの発行機能はあるか
- フォームの不正利用を防ぐ仕組みがある
- マイページを運用できる
- データのレプリケーションを行えるか(できない場合どのようなバックアップ可能か)
- クラスタリングを行えるか(できない場合、どのような代替手段があるか)
- 複数のウエブサーバへの同時更新が行えるか(できない場合、どのような代替手段があるか)
アクセス解析
SEO、LPO、関連ページ
- URLに制限がなくかつ.htmlで終わることができる
- 画像ファイル、バイナリファイルを任意のディレクトリに置くことができる
- キーワード、ディスクリプションが簡単に入れられる
- Web標準に則したページが生成できる
- ALTテキスト等を自動挿入できる
- サイトマップの自動生成ができる
- PC用と携帯用のページをそれぞれSEO対策できる
- googleサイトマップが自動生成できる
- LPOができる
- サイト内検索をリアルタイムに行える(コンテンツの更新に応じてすぐに反映)
- 会員には会員ページも含めたサイト内検索、非会員には会員ページを除いた検索が行える
- PDFやエクセルなどのバイナリーファイルを含んだサイト内検索を行える
- サイト内検索結果ページのURLに検索キーワードを表示できる
- 関連記事をリアルタイムで作成することができる
サポート
見積もり時要求ドキュメント
- システム概念図
- ハードウエア構成
- ソフトウエア構成
- 全体スケジュール
- 開発計画・プロジェクト体制、開発実績
- 導入計画、研修計画
- 運用計画
- ハードウエア見積もり
- ソフトウエア見積もり
- 開発費用
- 移行作業費用
- コンサルティング費用
- その他
納品時要求ドキュメント(通常不要と思われるドキュメントも列記しています。ドキュメントの作成費用は意外と掛かるのでバランスを見て判断が必要です)
- システム構成図
- 画面遷移図
- モジュール関連図
- 画面設計書
- 性能設計書
- 処理フロー
- 入出力定義書
- 詳細設計書
- ER図 (Entity Relationship Diagram)
- テーブル仕様書
- ハードウエア設計書
- ネットワーク設計書
- バッチ仕様書
- システムテスト項目書
- システムテスト結果報告書
- ユーザー運用マニュアル
- システム運用マニュアル
その他
- 成果物著作権ほか権利
- 守秘義務
- 提案書作成費用
- 提出期限
- 質問先
CMSの要件定義書はこのように多岐にわたる視点からの記載が必要です。弊社ではOpenCmsの利用を前提としないCMS導入コンサルティングおよび要件定義書作成のお手伝いもしておりますので、お気軽にご相談ください。
(2009/2/5)
CMS要件定義書に関連する参考外部リンク
CMS Watch:SEOとCMS /CMS導入時にSEOのベストプラクティスを組み込むには?(DESIGN IT)
失敗しないCMS導入準備 (Web担当者フォーラム)








